TOPPAGE - ごあいさつ

東海大学医学部総合診療学系
精神科学教授 山本賢司

今日の精神医療は病院やクリニックなどの医療機関だけで完結するものではなく、地域の介護支援サービスや行政機関など様々な施設と関係を保ちながら行われています。その中で、精神科医は診察室・ベッドサイドではこころの問題を抱える患者さんの主治医として、また、医療チームや地域医療の中ではリーダーとしての役割を担っています。この役割を確実に果たすためには、的確な精神科診断や治療を行うための知識・技術の習得はもちろん、患者さんやそのご家族、身体科の医師や他の医療・福祉のスタッフと円滑なコミュニケーションを築くスキルの獲得が必要です。また、将来独り立ちして業務を行っていく上では、新しい情報の収集や得られた情報の科学的吟味なども必要となり、一生続く「学びの場」を確保することも大切です。私は精神科医としての上述の知識やスキルを身につけるために必要なのは、精神医療へ真摯に関わっているスタッフとの出会いだと思っています。

東海大学医学部総合診療学系精神科学は、開学当初から成人と児童の精神科臨床・研究を両輪として今日に至っています。臨床面では成人、児童の症例を指導医のスーパービジョンを受けながら担当することができます。成人の精神科臨床として力を入れているのは、身体科病棟や救命センターにおけるコンサルテーション・リエゾン精神医学、緩和医療であり、看護師や心理師、ソーシャルワーカーなどとともにチーム医療を実践しています。児童に関しては外来や地域で数多くの症例を経験でき、児童相談所や学校、養護施設などとも連携しています。研究面では成人、児童精神医学の領域以外にも、総合大学である強みを生かし、医学部の基礎医学系の研究室や教養学部、工学部、健康科学部などとの共同研究が行われています。教育面では、臨床助手(後期研修医)に対する「東海大学医学部精神科専門研修プログラム」として、伊勢原の大学病院を基幹施設とし、研修連携施設である近隣の8つの精神科病院(2023年度からは10病院)、神奈川県精神保健福祉センターと連携しながら研修を進める体制を構築しています。

大学や大学病院は多くの人が出会い、学び、そして、高め合う場所です。時には厳しく、大変なこともあるかもしれません。しかし、臨床や研究、教育上の困難は皆で相談し、協力し合うことで乗り越えられるものであると信じています。患者さんやご家族の幸せのために、そしてそれぞれの先生方が精神科医として豊かな人生を送れるように、私自身微力ながら尽力していきたいと思っています。ぜひ一度、東海大学医学部総合診療学系精神科学の門を叩いてみてください。

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